2月は逃げ、気づけば3月。
今日は植物園の前に河津桜を見に行くことに。
池のほとりに株立つ一本の立派な木で、学生時代から見に行っていた場所だ。
訪れると、ちょうど満開。枝先までびっしりと花をつけている。
見上げれば青空がピンク色に覆い隠されてしまう。壮観だった。
またこの景色を見られて嬉しい。
ここへ引っ越してきてから、もうすぐ一年が経つ。
この一年間は学生時代に見た景色を追憶、反芻した時間でもあった。
次の一年をかけて、この土地に新たな景色を見出したいと思っている。
虫、植物、自然、風土...どれをとっても、今まで見ていた世界が狭小なものであったことに気付かされたからだ。
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植物園へ向かう。
この時期は新芽に視線が行く。
空気感も冬の割合を減らし、日を追うごとに春を感じられるようになってきた。
水辺では、ミツガシワが若葉を伸ばそうとしている。
冬の間はずっと茶色く枯れていたが、ここから新たなサイクルが始まる。
ミズバショウも顔を出していた。
足元を見れば、早春の花が見える。
オオミスミソウが紫色の小さな花を咲かせている。前回は気づかなかったが、フキノトウも出ていた。
散策の途中。最近はいつも同じルートで見回っていて、一回通った(見た)ところを無意識に避けていることに気づく。
しかし、見たいものは何回見たって良いはずだし、気に入った道があったら何往復したって良い。
アイスクリームをダブルで頼むとき、好きな味一種類を2個重ねてもバチは当たらないのである。
無意識のうちに自分を緩やかに縛っていた禁忌を、今日は解いてみることに。
オオミスミソウをもう一度見に行き、池にかかる橋も2往復した。
小さな変化ではあるが、いつもの景色が少し新鮮に映る。
今日、ここに来て良かったと思えた。