2024-04-01から1ヶ月間の記事一覧

朝ぼらけ、雲の波間に

風はほとんど無かった。 もう寒くない。 流れる雲を月明かりが照らす。 深夜3時過ぎ、職場の同期2名を伴って筑波山へ向かった。 スタート地点となる駐車場に着く。 あたりはまだ暗い。 ライトで足元を照らしながら序盤の岩場を歩いていく。 春先から何回か登…

雑記3

たぶん、「書きたい」ではない。 書かざるを得ない、ともちょっと違う。 「書かないことに観念した」 文章を書くとき、そして写真を撮るときも、この感情が最も近いかもしれない。 ... 曖昧なことに出会った時の曖昧な感情を残したい。 それは大きな矛盾を孕…

雑記2

朝とは、文字盤の上を動く長針と短針が表すものではなかった。 地平線が燃え上がり、夜空が駆逐され、そこに自らの影を見出すことであった。 冷風が額を貫く。空気のなかには蜜の味。

過ぎゆく日常、福香る

この一年間で最も通った店はおそらくここだろう。 スタンプを17回押したら1食無料になるポイントカードは、現在3枚目に差し掛かっている。 元気な日も、疲れた日も、暖かい料理で迎えてくれた。 山盛りのチャーハン、唐揚げ丼。 生の玉ねぎが敷いてある麻婆…

標本は語る

昨年採ったヤエマルの標本が完成したので標本箱に入れることに。 箱に入れる前に、採集地や採集年月日などを記した「データラベル」と、採集した虫の学名などを記した「同定ラベル」をつける。 様々な情報が載ったラベルを付けることで、その虫に標本として…

アマガエルについて

先日、職場の人との宴席で最近の趣味について聞かれ、咄嗟にこう答えた。 「植物園でアマガエルを探し、写真に収めることです」 目の前の上司が怪訝な表情を浮かべていたので補足する。 「一匹一匹に個性があります。神経質なやつ、緊張するやつ、のんびりし…

雑記1

主題は繰り返される。 何度も塗り直される地。 遠目では混沌でも、近づけば全ての色が必要なことに気付く。 既知の隣に、際限なく広がる無知。 知れば知るほど、謙虚にならざるを得ない。 「なりたい」には「なれない」。 別人の何者かになるのではなく、内…

昨日の植物園

花盛りだった。 桜は散り始めている。 散った花弁がいつもの風景に交じる。 花はいつしか散る。 散ることで、限りあることを示してくれる。 その儚さが、花をより一層美しくさせる。 ヤマブキやツツジも見事だった。 園内に色が一気に増えた。 花々、若葉、…

4年後

この週末は各所で桜が見頃を迎えている。 午後に大学の並木を見に行った。 木々は枝から溢れんばかりの花をたたえ、見物客で賑わう。 一年のうち僅かしかないこのひとときを、みんな待ち望んでいたのだ。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー こ…