つくば蘭展2024春

植物園で開催中の特別展へ。今回は蘭がテーマ。蘭展は毎年行われているが、毎回少しずつ焦点を変えている。

今回の目玉はJuel Orchid(宝石ラン)だ。

その名の通り、葉が宝石のように艶々とした光沢を放っている。しばらく釘付けになってしまった。蘭は花だけでなく、葉も楽しめるのだ。

特に好みだったのは、Dossinia marmorata というインドネシアボルネオ島固有のラン。葉脈の色彩とグラデーションに目を惹かれる。

熱帯温室では愛好家が丹精込めて育てた栽培品が展示されていて、こちらも凄かった。色も形も多様だけれど、すべて蘭の花。壮観である。

研修展示館にも希少な世界各地の野生ランが展示されていた。どれも精巧な造形で、これらが世界のどこかで花を咲かせている事実に驚きを隠せない。

土曜日ということもあり、多くの人で賑わっていた。気軽に訪れた家族連れやカップル、本格的なカメラを携え撮影に没頭する写真家、花についてあれこれ議論を交わす愛好家。

異なる背景を持った人たちが、「蘭」という一つのテーマに沿った展示空間に集う。一つの展示から、それぞれに学びや楽しみを見出している。

この特別展、そしてこの施設がある意義に少しだけ触れられた気がした。